ビジネス書2
ビジネス書2 posted by (C)わんわん


 本日は、橋下徹氏、堺屋太一氏による『体制維新−大阪都』のご紹介。
橋下氏といえば、皆さんご存じのとおり、昨年末に注目の大阪市長選で見事当選された方。大阪府知事にも『大阪維新の会』の松井一郎氏が当選し、今最も勢いがあり話題の政治家ですね。
この本を読めば、橋下氏が唱える『大阪都構想』が理解できます。


◆本書のポイント
1.国の形の大変革
 いまの大阪府庁も大阪市役所も解体して、新たな大阪都庁にする。そして大阪市内にある二十四区は中核市並の権限と財源を持つ八区ほどの特別自治区に再編する、そして周辺市にも中核市並みの権限と財源を移譲するというものです。
 都は大阪全体の成長戦略や景気対策・雇用対策、インフラ整備などの広域行政を担い、特別自治区は基礎自治体として、教育や医療、福祉といった住民サービスを受け持つことになります。
(中略)
 本当の改革は、体制を変えることです。明治維新であれ、戦後改革であれ、あるいはソ連・東欧の社会主義の崩壊であれ、ことごとく体制を変えることが究極の目的であり、新しい時代の出発です。ところが日本では、戦後ずっと同じ体制、もっといえば明治以来ほとんど同じ体制が続いている。

2.『何から何まで国がやる』では成長しない
 世界各国では、個々の都市の成長を促して、その都市と都市をつないでいくのが国の役割になっている。点と点をつないで面にするという国家戦略が主流になっている中で、いまだ日本だけが全部の面を一律にして勝負をしようとしている。
 経済産業省など国が発表する国の成長戦略には毎度、観光事業の充実、新エネルギー・環境技術の発展、医療・福祉分野への人材投入などが盛り込まれていますが、こんなことで北海道から沖縄までが一律に成長するわけがありません。

3.『強い広域自治体』と『やさしい基礎自治体』
 これからの大都市に求められるものは何か。
 大阪は二つの顔をもつ必要があります。一つの顔は世界の都市間競争に打ち勝つための『強い広域自治体』、そしてもう一つはよりきめ細かい住民サービスをおこなう『やさしい基礎自治体』。
 ある程度の規模を持った都市が、世界の都市間競争に打ち勝ちながら経済成長をはかる。そして成長による果実は、住民サービスを担う基礎自治体がしっかり配分していく。このしくみをつくるのが『大阪都構想』の機軸なのです。
 

 大阪都構想。夢のあるお話です。今年中には、総選挙も多分、行われることでしょう。橋下氏は、国会議員候補を擁立し、大阪維新の会は大躍進することになるでしょう。
 
 少し気が早いですが、今後の橋下氏を想像してみましょう。

 橋下大阪市長が大阪府知事と協力して『大阪都構想』の実現に向け、奮闘を続けるなか、遂に衆議院の解散総選挙が実施されることとなった。
 橋下氏が代表を務める『大阪維新の会』から多数の候補者が擁立されることとなり、選挙戦がスタート。
 政権政党の民主党は、すでに賞味期限切れ。政権を握っても結局何もできないことがバレてしまったため大苦戦。前回選挙で獲得した議席をことごとく失う大敗を喫することなった。
 その他の政党といえば・・自民党。こちらも皆様のご想像のとおり、今時タニガキでもないでしょう。ということで大敗。その他の既存政党は、軒並み『大阪維新の会』に歩調をあわせることにより、議席は微減。

 それを尻目に、大阪維新の会は国政でも大躍進。衆議院の過半数の議席を獲得してしまった。
 橋下氏が塾長を務める『維新塾』の生徒は、あっという間に国会議員の先生に。この方たちは、橋下チルドレンと呼ばれるようになりました。(一部の塾生は、あっという間に国会議員の先生だよ!年収2,000万円オーバーだよ!とウカレてしまい、マスコミで叩かれることに。)

 この結果、遂に日本は『道州制』に動き出すこととなりました。
 橋下氏は、マスコミを駆使し、官僚VS橋下を煽り、巧みに『道州制』に導いていきます。
 幾多の困難を乗り越え日本は47都道府県から12の道州に移行した・・・。

 と、ここまではよかったのだが。
 橋下氏の大躍進は、これで終わらなかった。道州制の後は、『大統領制』の導入である。そして初代大統領は、もちろん橋下氏。任期についても大統領の都合で延長できる。というどこかの国で聞いたことのあるようなお話。
 もちろん逆らう政治家はいない。そんなことをすれば、一瞬にして政治家生命が絶たれてしまうからだ。

 順風満帆、日本は橋下氏のもの。という状態。
 しかし、とんでもないスキャンダルが橋下氏を襲った!
 なんと、『橋下氏の愛人である。』という女性が各道州に現れ、『隠し子もいる。』ということなのだ!
 マスコミは、『家庭内でも、家庭外でも子作り。一人、少子化対策か?』などなどと騒ぎたて日本は大混乱・・・(つづく?)

◆書評
 本書を読めば、橋下氏の唱える『大阪都構想』がよく理解できる。また、大阪府と大阪市の二重行政の問題も分かり易く解説されています。
 昨年行われた大阪W選挙の意味しているところなんかも理解できます。

 また、日本の現体制の問題点、今後どのようにそれらを変えていけばよいのか。など明確なビジョンがある政治家なんだなっ、ただのタレント政治家じゃあ無いんですね。

 本書は、現在の政治にウンザリしている方にこそ読んで頂きたい。
 この勢いで、総選挙まで突っ走ってもらい、政治をおもしろく掻き回してほしいという思いでおります。

◆総合点78点
内容24/30 実践度16/20 感動度18/20 お得度15/20 デザイン5/10

体制維新――大阪都 (文春新書)体制維新――大阪都 (文春新書)
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